名指揮者は名講師 ― 2017/11/05
いずみホール
大野和士オペラレクチャー・コンサート
砂川涼子(ソプラノ)
光岡暁恵(ソプラノ)
小泉詠子(メゾソプラノ)
西村悟(テノール)
村上敏明(テノール)
馬場崇(テノール)
福嶋勲(バリトン)
小林大祐(バリトン)
成田眞(バス・バリトン)
プッチーニ「蝶々夫人」より
「夕暮れは迫り」(愛の二重唱)蝶々さん、ピンカートン
「ある晴れた日に」蝶々さん
「友よ伝えて」(手紙の二重唱)蝶々さん、シャープレス
蝶々さん:砂川涼子
ピンカートン:西村悟
シャープレス:福嶋勲
ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」より
「裏切られた父の眠る墓で」(愛の二重唱)ルチア、エドガルド
「誰が私の怒りを収められよう」ルチア、アリー座、エドガルド、アルトゥーロ、エンリーコ、ライモンド
「香炉はくゆり」(狂乱の場)ルチア、エンリーコ、ライモンド
ルチア:光岡暁恵
アリーザ:小泉詠子
エドガルド:西村悟
アルトゥーロ:馬場崇
エンリーコ:小林大祐
ライモンド:成田眞
レオンカヴァッロ「道化師」より
「大空を晴れやかに」(鳥の歌)ネッダ
「衣装をつけろ」カニオ
「勇気を出せ!男といたな!」(第2幕フィナーレ)ネッダ、カニオ、ペッペ、シルヴィオ、トニオ
ネッダ:砂川涼子
カニオ:村上敏明
ペッペ:馬場崇
シルヴィオ:福嶋勲
トニオ:小林大祐
正直、イタリアオペラは苦手なのだが、大野和士のレクチャーを聞きたくて行ってきた。大野のピアノ伴奏で歌手が簡単な演技つきで歌い、大野が解説をしていくというスタイル。
大野の語り口は決して雄弁というわけではないが、誠実なパーソナリティの持ち主であることが伝わってくる。オペラ指揮者としての豊富な経験を活かしたレクチャーは、行ってよかった、と実感させられた。
歌手陣も健闘。さほど広くないいずみホールゆえ、無理に声を出す必要がなかったことが功を奏したのではないか。特に、「道化師」でカニオを演じた村上の声の迫力が印象に残った。
あいにく、天神祭奉納花火大会と重なったため、帰り道は人混みで往生した。加えて蒸し暑さにも……
スタートダッシュ(?)に成功 ― 2017/11/04
京都コンサートホール
京都市交響楽団第614回定期演奏会
ブラームス:大学祝典序曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ブラームス:交響曲第3番
指揮:広上淳一
ヴァイオリン:ピンカス・ズーカーマン
今年度の定期からはじまった、広上=京響コンビによるブラームス交響曲シリーズの第一弾。最初の「大学祝典序曲」から全力で駆け抜ける。上々のスタートを切ったといえるだろう。
ズーカーマンは、要所要所で、オケのほうに視線や身体を向けて演奏。オケと協調して曲創りをしていこうとする意思が看て取れた。
一度だけでは…… ― 2017/11/03
フェスティバルシティ・オープン記念
大阪フィルハーモニー交響楽団創立70周年記念
第55回大阪国際フェスティバル2017
バーンスタイン
シアターピース「ミサ」
— 歌手、演奏家、ダンサーのための劇場用作品 —〈新制作〉
音楽:レナード・バーンスタイン
テキスト:ミサ典礼文、スティーヴン・シュウォーツ、レナード・バーンスタイン
総監督・指揮・演出・字幕訳:井上道義
司祭:大山大輔(バリトン)
ストリートコーラス:
小川里美、小林沙羅、鷲尾麻衣(ソプラノ)
野田智恵子、幣真千子、森山京子(メゾソプラノ)
後藤万有美(アルト)
藤木大地(カウンターテナー)
古橋郷平、鈴木俊介、又吉秀樹、村上公太(テノール)
加耒徹、久保和範、与那城敬(バリトン)
ジョン・ハオ(バス)
込山直樹(ボーイ・ソプラノ)
ファルセット・コーラス:奥村泰憲、福島章恭、藤木大地
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
キッズコールOSAKA
石田天星
上野理久
内田昌孝
川口奏
久保聡史
込山直樹
紺屋龍昇
庄司笹
白石美璃
高田響
廣田温大
星山智洋
水野碧
南方姫乃
村上咲妃
森路長
森岡孝仁
分林桜子
従者(助演):孫高宏、三坂賢二郎(兵庫県立ピッコロ劇団)
堀内充バレエプロジェクト
青木淳
今中雄輔
木下真希
小山憲
坂本奈穂
佐藤祐基
塩山紗也加
登坂太頼
内藤悠太
大阪芸術大学舞台芸術学科舞踊コース
[ムシ]浅井莉香、今西由記
[ネズミ]弦巻さゆり、寺倉礼那
[ネコ]萩尾小百合、松尾星良
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団(コンサートマスター:崔文洙)
ロックバンド:
福田晃一(E.Gt)
吉岡昇(E.Gt)
喜多健博(E.Bs)
白石准(E.Key)
江森文男(Drs)
ブルースバンド:
堺重幸(E.Bs)
尾崎克典(E.Key)
上田淳介(Drs)
サクソフォン:林田和之(S)、日下部任良(A)、高畑次郎(T)
オルガン:桑山彩子(Large)、山崎千晶(Small)
スティールパン:釣千賀子
照明:足立恒
美術:倉重光則
振付:堀内充
音響:山中洋一
衣装:萩野緑
舞台監督:堀井基宏
演出助手:橋詰陽子
字幕制作:藤野明子
副指揮:角田鋼亮
合唱指揮:福島章恭
合唱ピアニスト:尾崎克典、満多野志野
児童合唱指揮:大谷圭介
児童合唱指導:内藤里美
児童合唱ピアニスト:小林千恵
コレペティトール:服部容子、大町彩乃
アンダー・スタディ:山本悠尋(司祭)
舞台監督助手:熊代浩児、野村八千代、橋本英志
制作進行:林智子
大道具製作:つむら工芸
照明:インプレッション
音響:エス・シー・アライアンス
ヘアーメイク:丸善
字幕:アルゴン社
運送:アシストジャパン
ミュージック・パートナー:佐渡裕
こういう作品は実演に接してこそ、ではあるのだが、一度観ただけでは音楽の意図、演出の意図ともに、よくわからなかったというのが正直なところである。再演されないかな……映像収録がなされていなかったことも惜しまれる。
俗から聖へ(その2) ― 2017/05/07
2017年4月29日(土)午前中の授業2コマを済ませて、慌ただしく昼食をかきこみ、ザ・シンフォニーホールに移動。昨日はカルミナ、今日はミサソレ。俗から聖へ。 pic.twitter.com/KEzo6s0cni
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月29日
関西フィルハーモニー管弦楽団第282回定期演奏会
指揮:飯守泰次郎
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:池田香織
テノール:畑儀文
バス・バリトン:片桐直樹
合唱:関西フィルハーモニー合唱団
4年前のブルックナー3番以来、久々に飯守=関西フィルを聴く。
印象に残ったのは、ソリストを務めた畑儀文氏が指導している関西フィルハーモニー合唱団。同合唱団を聴くのははじめてだったが、なかなかの力量ではなかろうか。
上記ツイートのリンク先にもあるとおり、東条碩夫氏は非力に感じたらしいが……機会があれば、ほかの合唱つきの曲も聴いてみたいと思わされた。合唱については、東条さんとはちょっと違った印象。わたしは力感不足だとは感じなかったが、座席の位置の違いか。> 東条碩夫のコンサート日記 2017・4・29(土)飯守泰次郎指揮関西フィル「ミサ・ソレムニス」 https://t.co/Sr3WUvu7BO
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月30日
俗から聖へ(その1) ― 2017/05/05
ラ・フォル・ジュルネびわ湖2017 前夜祭コンサート
独唱
石橋栄実(ソプラノ)
藤木大地(テノール)
大沼徹(バリトン)
合唱
びわ湖ホール声楽アンサンブル
ラ・フォル・ジュルネびわ湖「カルミナ・ブラーナ」合唱団
大津児童合唱団
管弦楽
日本センチュリー交響楽団
指揮
沼尻竜典
J. シュトラウス2世:春の声
オルフ:カルミナ・ブラーナ
まもなく開演。 pic.twitter.com/LA2k6z8HwT
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月28日
久々のセンチュリーだったが、相変わらずの安定感。第1ヴァイオリンの第5プルトにいる、やたら身振りの大きい兄ちゃんも健在。ただ、心持ち、身振りが小さくなった感が。
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月28日
コーラスは力で押し切った感じ。ただ、少し荒々しいくらいのほうが、カルミナには合ってるか。
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月28日
気の毒だったのは、体調を崩したのか、演奏途中で児童合唱の2人が相次いで退場したこと。せっかくの本番だったのに、さぞかし残念無念だったろう。
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月28日
……ということで、ハプニングはあったものの、全体として好印象。ソリストについては非力に感じたが、これは天井桟敷で聴いていたからかもしれない。児童合唱からは、さらに演奏終了直後に1人退場。何とか歌い切ったわけだが、大事ありませんように。
— 木村祐治 (@ykmr75) 2017年4月28日
びわ湖リング、順調な滑り出し ― 2017/04/13
びわ湖ホール
R.ワーグナー:ラインの黄金(新制作)
指揮:沼尻竜典
演出:ミヒャエル・ハンペ
美術・衣装:ヘニング・フォン・ギールケ
ヴォータン:青山貴
ドンナー:黒田博
フロー:福井敬
ローゲ:清水徹太郎
ファゾルト:片桐直樹
ファフナー:ジョン ハオ
アルベルヒ:志村文彦
ミーメ:高橋淳
フリッカ:谷口睦美
フライア:森谷真理
エルダ:池田香織
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:森季子
フロスヒルデ:中島郁子
管弦楽:京都市交響楽団
待ちに待った(?)「びわ湖リング」がついにスタート。
プロジェクションマッピングを駆使した演出、充実した京響の演奏とも、申し分なし。京響は2012年の「タンホイザー」、2013年の「ワルキューレ」(ともに沼尻指揮)でもびわ湖ホールでのワーグナー演奏を経験しているが、「リング」を上演していくことで、「ワーグナーの京響」という評価が定着することになるのではないか。
今後の期待をさらに高める、順調な滑り出し。
一つの区切り、一つの頂点 ― 2017/04/11
大阪フィルハーモニー交響楽団第505回定期演奏会
ショスタコーヴィチ:交響曲第11番「1905年」
ショスタコーヴィチ:交響曲第12番「1917年」
指揮:井上道義
井上道義の、大フィル首席指揮者としては最後の定期の2日目を聴く。
前半の「1905年」。弱音と強奏とでの、弦楽器の見事な音色の使い分けが印象に残る。後半の「1917年」。演奏する側についても、聴き手についても、これほど集中力を感じたコンサートは、わたしにとってはじめてだった。前半からホールにはただならぬ緊張感が漂っていたが、最後までこの雰囲気が緩むことはなかった。
自分にとってのベストコンサートは、2003年、大植英次の大フィル音楽監督就任披露定期だったのだが、14年弱の時を経て、それが塗り替えられた。
大フィルにとっても、井上にとっても、一つの区切り、一つの頂点だったのではなかろうか。
大フィルはやはりブルックナー ― 2017/04/10
大ブルックナー展 第5回
兵庫県立芸術文化センター
井上道義:鏡の眼
ブルックナー:交響曲第5番
指揮:井上道義
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
メンバーの入れ替わりはあっても、大フィルはブルックナーを演奏すると生き生きしてくる。ここのところ、金管が安定してきているので、聴いていて安心できる。
指揮者自作自演の「鏡の眼」。わかりやすい曲ではあるが、そのぶん印象が薄い。2005年に聴いた、「メモリー・コンクリート」(初版)は、いきなりハンマー(マーラー6番で使うやつ)の一撃で始まり、ガラス製のジョッキを打楽器として使用し、と、インパクトがあったのだが。
【祝60周年】京響の存在感 ― 2016/12/29
京都市勧業館みやこめっせ
京都市交響楽団創立60周年記念特別演奏会
指揮:広上淳一、高関健、下野竜也、大谷麻由美、水戸博之
シュトックハウゼン:3つのオーケストラのための「グルッペン」
ケージ:5つのオーケストラのための30の小品
シュトックハウゼン:3つのオーケストラのための「グルッペン」
天候を心配しつつ、行ってきた。内容については、東条碩夫氏、渡辺和氏の批評に付け足すことは何もない。
わたしの感想は、以下のとおり。
写真はオーケストラの配置図。シュトックハウゼンの1回目とケージは第4オケの左で、2回目のシュトックハウゼンは第1オケの右側で聴いた。離れて聴いたほうが、オケ間の音の移動を把握しやすかったのは意外だった。 pic.twitter.com/0EYwfi3ffi
— 木村祐治 (@ykmr75) 2016年12月23日
そうそう、広上さんが「1、2、3、4」と、小声で拍を刻んでいたのも印象的だった。京響指揮者陣は総じて小柄なので、身体全体を大きく使っていたのもインパクトがあった。
— 木村祐治 (@ykmr75) 2016年12月23日
渡辺氏も書かれているように、このプログラムで幅広い客層を集客できたことは、京響の存在意義を再確認させるに十分足るものだったろう。満ち足りた今年の生演奏聴き納めになりました……
政治力の差? ― 2016/12/28
ザ・シンフォニーホール
大阪交響楽団第206回定期演奏会
指揮:寺岡清高
ヴァイオリン:小林美樹
コルンゴルト:「雪だるま」前奏曲とセレナーデ(ツェムリンスキー編)
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲
ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」
寺岡清高(そして児玉宏)による大阪響のプログラミングのオリジナリティについてはいまさら触れるまでもないだろうし、演奏も立派なものではあるのだけれど、「どうしてこの曲がほとんど取り上げられないの?」という疑問がどうしてもつきまとう。
なんだかんだで、マーラーの政治力はたいしたものだったし、それが現在までその作品を生き残らせていることは否定できないだろう。「人魚姫」でのホルンのベルアップ — マーラーがよく用いている — を見ていると、そんなことを考えずにはいられなかった。